詳しい情報はこちら

終活コラム
NO.38

花咲く、着物を巡るよもやま話

花咲く、着物を巡るよもやま話

街を歩いている時、着物姿の人を見かけると自然と目を奪われることはありませんか。
その姿は凛として、でもどこか柔らかい。不思議とその空間だけ、心地良い風が吹いているよう。
美しい色彩に四季を感じる模様や縁起までもが込められた着物は、日本の伝統衣装だからでしょうか、私たちの心の琴線に触れるような気がします。

約1000年前、平安時代に着用された「小袖」が、現在の着物のルーツといわれています。小袖とは、袖口の小さな着物のこと。それまで下着として着用するものだった小袖が、表着として着られるようになり、時代の流れとともに様々な変化を生み出してきました。
外国文化の影響を強く受けた明治時代には、洋装を着用する人が出てきますが、洋装は高価で、しかも着慣れないこともあり、昭和初期頃までは着物が主流でした。第二次世界大戦以降になると、動きやすい洋装が一気に広まり、それまで日常着だった着物は、フォーマルな時に身につける特別な装いになっていったのです。

特別な装いといえば、卒業式や入学式。昭和40年代から50年代にかけて、着物に黒羽織姿が大流行したのをご存知ですか。
記念の集合写真では、揃って黒羽織を着たお母さんたちの姿がありました。(あぁ懐かしい、私の母も着ていた)と思い出す方もいらっしゃるのではないでしょうか。

昭和60年代の着物で印象的なのは、中森明菜さんが着用していた衣装が浮かびます。
名曲「DESIRE」の衣装は、大正ロマンを感じる着物と思いきや、裾はスカートにして黒のタイツにピンヒール、そして大ぶりなゴールドのアクセサリー。ステージ衣装とはいえ、アレンジで着物がこんなに変わるなんて、と強烈なインパクトを残しましたね。

花咲く、着物を巡るよもやま話

近年では蛍光色のようなビビッドな色合いやギンガムチェック柄など、自由な発想の「モダン着物」なる新しい着物のジャンルも。他の人と被らない、自分らしいおしゃれを楽しみたい方に人気のようです。
着物を楽しみたいと思うのは、もちろん男性も同じ。正統派の着こなしを楽しむ方やモダン着物のように、ちょっと個性を打ち出す着こなしを楽しんでみたり。
そして、着物の美しさは外国人からも注目で、「kimono」として世界でも通じる言葉になっていますね。浅草や京都などの観光都市では、レンタル着物を着て楽しんでいる外国人観光客が多くみられます。 

絵画の中の着物美人

花咲く、着物を巡るよもやま話

美人画で有名な浮世絵師、喜多川歌麿の描く女性の着物の着こなしは、町中の女性たちの注目の的になったといわれています。
茶店の看板娘の柄の合わせや、花魁のちょいと衿を抜いた着こなしを描いた絵を、女性たちは頬を赤らめながら見ていたのかもしれません。歌麿の絵は、今でいうインスタグラムのような流行の発信源だったようです。 そして、国の重要文化財に指定されている「序の舞」。女流画家、上村松園の代表作として広く知られている作品です。
髪は文金高島田に結い、朱色の大振袖、袖と裾には虹色に染まった彩雲が描かれています。凛とした女性の強さとしなやかさが、艶やかな朱色を身に纏い、真っ直ぐに立ち、前に差し出した扇子を持つ右手に掛かる振袖の動きから感じます。

桜模様の着物

花咲く、着物を巡るよもやま話

今年ももうじき桜の季節がやってきますね。桜には何か不思議な力が宿っているのでしょうか。
前述の着物姿の人を見かけた時のように、しばし心を浮き立たせてくれます。同様に、桜模様の着物もほんとうに素敵。桜を紋様化したものや、写実的なものなど色々とありますが、桜が満開になったら桜模様を身につけるのは野暮ですよという考え方があり、総じて着物の柄は季節を先取りして着るのが粋なのだとか。
ですが、紋様化した桜模様は一年中着られますのでご安心を。心配な方は、書籍やインターネット、あるいは着物を購入された呉服店さんに相談してみると安心ですね。
人々の着物離れといわれる一方、節目節目には着物を身につけて祝う意識が根強くあるのではないでしょうか。
TPOやルールがむずかしいといわれますが、もともとは日常着だった着物です。ルールを知った上で、色々と着こなしてお出かけをしたら、会話も弾んで楽しいひと時になるかもしれませんね。

着物姿のシルエットは、まるでひとつの絵画のよう。
もしかしたら、着物は着ているご本人以上に、周囲の人たちに幸せな気持ちを降り注いでくれているのかもしれません。

お問合せ・見学予約・資料請求はこちらから

ページトップへ