詳しい情報はこちら

終活コラム
NO.48

私たちの食文化の原点は、江戸にあり!?
(後編)

私たちの食文化の原点は、江戸にあり!?(後編)

前編にひき続いて、今回も江戸の食文化を紐解いていきます。

一汁一菜、江戸っ子の献立

江戸時代の庶民は、基本的に一汁一菜でした。 例えば、朝は炊きたてのごはんに味噌汁、漬物。昼は冷や飯にお茶、野菜を煮たりしたもの。夜は冷や飯にお茶をかけたお茶漬と漬物といった具合。
人気の食材は、朝一番に棒手振り(ぼてふり)から買った納豆。棒手振りとは、天秤棒の両端に吊り下げた籠に仕入れた食材を入れ、江戸の町の隅々まで行き来していた行商人のこと。今でいう食材宅配サービスに近いかもしれません。浮世絵師、歌川広重の有名な「東海道五十三次」シリーズの「日本橋 朝の景」には、朝焼けの町の風景のなかに棒手振りたちの姿も描かれています。
さて、人気の納豆は味噌汁に入れて納豆汁にするのが定番でよく作られていました。豆腐も人気で、細長く切って水と醤油と酒で煮てから葛を加える八杯豆腐(はちはいどうふ)にして食べることが多かったようです。魚類は保存の効く塩漬けにしたものが多く、七輪で焼いて食べるめざしいわしが好まれ、これは諸説ありますが、魚類を食べられるのは裕福な家庭で、それでも月に2〜3回程度だったそうです。
この頃、主食のお米は玄米から白米へと変わり、「うまいうまい」とごはんの食べ過ぎ(成人男性は1日で5合を食べたとか)で、今ではほとんど聞かない脚気を患う人が増えたそう。これがまた、地方に行って雑穀を食べると回復したとかで「江戸わずらい」なんていう残念なネーミングがついたそうです。
さて話は戻って、棒手振りは朝昼晩と町を回り、こんにゃくやごぼうなどを醤油で煮しめたおかずや煮豆などの惣菜を売る者もいました。そこで惣菜を買えば、食事の支度がぐっと楽になるので大変重宝されたようです。私たちも食事を作るのが大変な時は、スーパーやデパ地下でお惣菜を買いたくなるのと同じですね。

江戸時代、外食文化が花ざかり

参勤交代で家族を残して江戸へはるばるやってきた武士たち、江戸の復興に全国から集まった労働者はひとり者が多く、そうした男性たちの食生活を支えたのが外食文化でした。湯屋帰りや仕事帰りに気軽に立ち食いできる屋台が数多く登場し、寿司や天麩羅、蕎麦などが大人気。
他にも団子やお汁粉などの甘いもの系も人気だったとか。今の私たちがファストフードやフードコートを楽しむ気軽な感覚だったようです。
当時の屋台の賑わいを先述の歌川広重が「東都名所高輪廿六夜待遊興之図」に描いています。興味のある方は、インターネットで検索をするとたくさん出てきますよ。
また、看板娘をひとめ見ようと人々が押しかけて話題になった茶屋もたくさん登場し、外食文化が花ざかりの時代を迎えました。こうして外食が盛んになると、今でいうグルメライターやグルメ雑誌のような「江戸名物酒飯手引草」「江戸買物独案内」という本まで誕生し、レシピ本も数多く出版され、江戸土産にもなったそうです。

胃袋自慢、江戸の大食い大会

なんと江戸時代にも大食い大会がありました。菓子の部、飯の部、蕎麦の部、鰻の部、酒の部に分かれ、出場者は身分の上下関係なく、胃袋自慢を競い合ったのです。
菓子の部では、餅30個、せんべい200枚、梅干し2升(約1キロ!)、お茶17杯を平らげたなんていう恐ろしい記録や、甘酒50杯という強者も。飯の部では、ご飯68杯に醤油2合。2合って約360ccですよ、恐ろしいですね。こんな無茶をしすぎた大会記録は、当時の文献に残っているそうです。
また、絵師の榊原文翠が「大酒大喰会絵巻」に大食い大会の様子を描いています。

私たちの食文化の原点は、江戸にあり!?(後編)

「初物七十五日」の本当の根拠とは・・

そして江戸中の町民が熱中した初物。「初物七十五日」ということわざがあり、旬の時期に出回り始めた初物を食べると七十五日寿命が延びるといわれていました。
このことわざの由来には諸説ありますが、そのうちのひとつが、江戸の死刑囚の最後の希望からきているといいます。
江戸時代、死刑囚に最後に食べたいものを与えるという決まりがありました。そこで、ある死刑囚が望んだのは季節外れの食べ物だったのです。今と違い、季節外れの食べ物がすぐに手に入るわけもなく、初物が出る時期まで待つしかありません。初物が出るのを待った結果、死刑囚は七十五日、生き延びることができたというわけですが、いつの間にか、初物を食べれば七十五日寿命が延びると考えられるようになりました。

私たちの食文化の原点は、江戸にあり!?(後編)

“私たちの体は食べたものでできている”

現代の食文化に通じる江戸時代のエピソードを紹介してまいりました。
質素ながらも豊かで活気あふれる人々から、元気に生きるヒントを得たような気がします。
栄養バランスの良い和食がソウルフードの私たちですが、なんにせよ、人生の後半ともなると食事と健康は切り離せません。ですから、楽しく、美味しく、腹八分を心がけ、感謝をして食事をいただきたいですね。
“私たちの体は食べたものでできている”という言葉があるように、今まさに食べているものが、明日の体を作ってくれるのでしょう。
生きていると悩みごとやストレスなどがあると思いますが、食事の時は自分や身の回りの大切な人とゆっくり味わい、心と体を大切にして、これからも私たちらしくマイペースに生きていきましょう。

お問合せ・見学予約・資料請求はこちらから

ページトップへ