元気な今こそ身の回りの整理
終活のなかでも最も体力を必要とし、時間もかかるのが身の回り品の整理です。
試しに、家の中で一番使っていない部屋の押し入れや戸棚を開いて、中のものを引っぱり出して、床に並べてみるとしましょう。
半間の押し入れの下の段だけでも、びっくりするほどの量です。
思い出のこもった物を整理するのはなかなか捗らないものですが、きちんと分類して美しく収納してあったがゆえに日の目を見なかった品物が、よみがえる機会になるかもしれません。
身辺の物の整理は、財産問題のような難しいことではないのですが、大事なことですし、よいことが二つあります。一つは、今の生活をスリム化して活動しやすくすること。
もう一つは、後に残る人が遺品整理に苦労しなくて済むので感謝されることです。
全体を考えると億劫になるので、この押し入れ、このタンスというように、小さめに区切って着手します。
片付け作業には体力と思考力が必要です。作業は人の手を借りることもできますが、終活に求められるのは、整理をどうするかの判断を自分ですることです。
○日常使っている物
――もちろん、引き続き使う。
○大切な物
――置く場所を換えて、楽しむ。あるいは、大切にしてくれるだろう人にプレゼントする。
○価値のある物
――財産目録に入れるほどではないけれど、売れば値が付くものは、すぐ売る。
○使う予定がない物
――ほしいという人にあげる。引き取り手がない物は処分する。
○何かの時に役に立つと考えて取ってある物
――災害時には役立つと考えて保存してある重い毛布などは、それに代わる防災グッズに替える。
気をつけたいのは、デジタル機器の取り扱いです。
パソコンやアイフォンには、大切な写真や人には見られたくない記録が溜まっています。使わなくなったら、パソコンを譲る場合も廃棄する場合もデ―タを削除しなくてはなりません。
デジタル機器のIDとPWを紙に記録してデータの削除を頼むことを、依頼する人宛に書き遺し、財産管理の機密事項と同様に保管します。
愛着があるものを身内や縁のある人に譲りたいと思うのは人情ですが、それにこだわらず、インターネットで売ってでも、誰かに使ってもらうほうがよいと考えるのもよいのではないでしょうか。
また、防災グッズなどは機能性が高くてコンパクトな最新のものを備えるほうがよく、使わずに済めば幸いであり、むだな買い替えにはなりません。
いつの間にか増えた物、それは生きてきた道のりの証です。
それらの物と別れる前に写真に撮るもよし、思い出を文章に綴るもよし、忘れていた趣味を再開するきっかけにするもよしです。
工夫次第で楽しい整理になるのではないでしょうか。






