五穀豊穣 -海の幸・山の幸-
五穀豊穣、海の幸・山の幸 黒潮と親潮の2つの海流がめぐる日本の海、原生林と高山植物が美しく、多数の源流が海へと流れる標高2500~3000mの山脈。この恵まれた自然のお蔭で、大昔から魚や貝、キノコや木の実などの食糧を得ていました。麓の里山・里では、外来種の米や麦(ムギ)、粟(アワ)、稗(ヒエ)などの穀類のタネを直播きしていました。
海の幸は塩、豊富な魚介や海藻類。山の幸は水、茸(キノコ)、果実、筍(タケノコ)、栗(クリ)、胡桃(クルミ)、団栗(ドングリ)、また鳥や猪や鹿などの肉も地域や時代によっては食べられていました。南北に長い島国の、四季の変化を持つ気候風土から得る食物は多種多様です。
水田の稲作が確立されたのは弥生時代から。「五穀豊穣(ごこくほうじょう)」という言葉は、肥沃な土地の豊作の喜びを表しています。五穀は、『古事記』には米・麦・粟・大豆(ダイズ)・小豆(アズキ)、『日本書紀』には 米、麦、粟、稗、豆と記されているそうですが、時代や地域で諸説あるようです。
米が計画生産されるようになると、米を年貢にとる政策が成立し、農産物・海産物の流通経済も発達し、各地の海の幸・山の幸が全国の庶民の口にも届くようになりました。
穀物、海の幸・山の幸をバランスよく摂り合わせることで栄養価の高い献立になります。また、数々の発酵食品を創り出し、日本独特の鰹節や味噌・醤油・酢などの調味料を用いた「うまみ」の利いた調理法が発達し、美味で栄養価の高い料理が考案されました。
今は、世界各国の食材もレシピも手に入り、外食やバラエティ豊かな家庭料理をいただくことができますし、寿司や天ぷら、和牛ステーキは外国の方にも大人気です。
その一方で、いいえ、そのような時代だからこそ、ヘルシーな和食が見直されています。2013年に「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録されたことで、和食の価値を改めて認識し、毎日食事の大切さに関心が寄せられています。
なかでも注目されているのは、「一汁一菜」を基本とした食事です。
一汁一菜は、ご飯と汁物(味噌汁や吸い物)に、お菜(おかず)一品の3点です。昔の一菜は膾(なます=生の魚の切り身を細切りにしたもの)でしたが、今はお刺身や魚介のあえ物です。
一汁二菜になると、そこに焼き魚のお皿が付きます。
一汁三菜は、さらに大根や芋、タケノコなどの煮物のお椀が加わります。
異なる食材と調理法を用い、味付けは鰹節、昆布、干し椎茸などで「だし」を取り、塩分は控えめなのが特徴です。
現在は、外国からの輸入品も含め、豊富な食材を入手できるので、一汁三菜も、洋風な要素を取り入れられていますし、三度の食事にご飯を食べるとは限りませんが、塩分・油分を抑え、肉類への片寄りや食べ過ぎを防ぎ、栄養バランスのよい和食の基礎基本は、日本の食文化として受け継がれています。






