フィルムカメラの世界へ
プロアマ問わずフィルムカメラ愛好家は元より、ここ近年の昭和・平成レトロブームの流れもあってフィルムカメラが人気です。
フィルムカメラとは、その名のとおりカメラ本体に別売りのフィルムをセットして撮影するカメラのこと。
ほんのひと昔まで、写真を撮ったり撮られるのは「特別なこと」だったような気がしますが、皆さまはいかがですか。ちょっとよそゆきスタイルで、カメラの前に立って緊張気味にニッコリ。数日後に写真が出来上がるとドキドキワクワクしながらプリントされた写真を見たものです。気に入った写真は焼き増しをしましたよね。
私も若い頃、知人から譲り受けた一眼レフのフィルムカメラで、素人ながらに料理や花などいろいろな写真を撮りました。祖母の十三回忌で親族が集まった時、はりきって集合写真を撮ったこともあります。それまでワイワイガヤガヤおしゃべりしていた叔父叔母たちが、カメラを向けられると急にかしこまった顔つきになって、笑顔になってもらうのも一苦労した懐かしい思い出です。
時代は流れ、デジタルカメラやスマートフォンで写真を撮るようになると、その手軽さに感動しましたよね。いつの間にか、写真を撮ったり撮られるのは特別なことではなく、誰にとっても日常のひとコマになりました。おかげでカメラ(というかスマートフォンという方がしっくりきますね)を向けられても、ほとんどの人が自然な笑顔でニッコリ。そんな便利さを知ったうえで、フィルムカメラが人気なのです。
フィルムカメラのこと
まずフィルム(フィルムも種類があるので自分の撮りたいイメージに合うものを選びたいですね)を用意し、カメラにセット。この作業は慣れるまでちょっと緊張するかも(レンズ付きのカメラなら最初からフィルムが内蔵されているのでお手軽)。そしてファインダーを覗いて被写体にピントを合わせるために、レンズの距離リングを回して調整。ぼんやりしていたものがクリアに見えてくる瞬間。そして明るさ(露出)を調整。ピント、露出、そして何より撮りたいと思ったイメージに合ったら、シャッターボタンを押して撮影完了。フィルムを使い切ったらカメラから取り外して、現像するために写真屋さんへ持っていきます。調べてみると今では最短1時間で現像・プリントができるお店もあるようです。
真剣になれるのがフィルムカメラの面白さ
フィルムカメラで写真を撮ろうとすると、何をどう撮ろうかと考えることになります。気軽に撮り直しが出来るデジタルとは異なり、フィルムの枚数をつねに考えながら、真剣にそして慎重に被写体に向き合う。構図や光、はたまた写真のテーマなど目的を持って撮影することになります。こうして言葉にするとちょっと大げさかな? と思いますが、実際にフィルムカメラを持つと自然とそうした感覚になるような気がします。アナログならではの面白さですね。「この感じだ」と自分の感性を頼りに、シャッターを押す時のカシャッという静かで柔らかな音も魅力です。
撮り終えたフィルムを現像してもらい、もしくは自分でする人もいますが、出来上がった写真を見る時のドキドキワクワク。この感覚はデジタルでは味わえないと思います。そしてフィルムカメラで撮った写真は温かみや深みがあるといいます。カメラの機能やフィルムの性能によってそれは生まれるものですが、手間をかけて写真を撮るぶん、その時の思いまでも投影されるからかな、なんていうふうにも思います。
今日のこの日を残す写真
フィルムカメラに興味を持ったら、まずは気軽に始められる使い切りカメラで写真を撮ってみませんか? 家族や友人、大切なペット、料理や花、風景でもなんでもいいですよね。今日のこの日、心の目にとまったワンシーン。撮った写真を現像・プリントしてアルバムにして残してみる。
終活というとあれもこれもモノを処分し、ミニマムに暮らすイメージがありますが、お気に入りの写真をカタチに残し、ミニアルバムを作ってみたり、写真をコラージュして飾ってみたり。そんなふうに心豊かに、機嫌良く暮らしていきたいですね。






